困難の乗り越え方を語ろう③

幸運は人が運んで来てくれます。しかし反対に不幸も人が運んでくるものです。

 

なぜならアドラー曰く、ストレスの原因は対人関係にあるからです。

 

ある飲食店の改善物語③

職場の現状

・郊外型で客席は多いが回転率が低い。

・週末はファミリー客で忙しい。

・従業員の派閥争いが凄まじい。

 

職場環境

・派閥は仕事が早いが要望の多い派閥と仕事は遅いが文句を言わない派閥の対立。

・前の店長が仕事が遅い派閥の従業員にシフトを振りすぎのしわ寄せ(早い派閥は店長の頼みを聞かない)の後処理でシフトが組めない。

・毎日従業員から要望と文句が来る。

 

朝の作業事件

・異動して3日後「おはようございます」と調理場に行くと従業員同士で怒鳴り合いの喧嘩をしていました。真ん中に割って入って「どうしたんですか?」と聞くと早井さん

(仕事が早い派閥代表:仮名)が「私が使っていた調理器具を遅井さんが使った」「なんで勝手に使うんだ」と怒鳴っていました。それに対し遅井さん(仕事が遅い派閥代表:仮名)が「器具が空いてたから使ったんだ」「あなたの所有物では無いでしょ!」と反論。すかさず早井さんが「一言断ればいいでしょ!」と怒鳴り、遅井さんは「言えばヤダって言うでしょ!」と感情でのぶつかり合いで埒が明かない状態でした。開店前の忙しい時間だったのでその場はまあまあと言いくるめて事無きを得ました。

 

割り当て不公平泣きのクレーム

・シフトを作成していると早井さんが2人の派閥メンバーを引き連れ、作業割り合てが不公平だと言い出しました。作業は大きく分けてホールとキッチン。キッチンはハンドスピードの速い人ベテランが向いていて、ホールは比較的新人でも出来るポジションでした。なるべく公平に組んでいますが、、、と返答すると早井さんは「一か月でキッチンの割り当てが私(早井さん)が11回で遅井さんは10回」「これは不公平だ!」と言ってきたのです。自分の返答は「解りました」「次回から気を付けます」と内心「めんどくさい」と思いながら対応すると早井さんが泣き出してこの店長は何も判ってくれない~」と言い出しました。自分がキョトンとしていると派閥の一人が「なんで解らないの?」「早井さんが泣いている。可哀想!!」と野次ってきました。さらに派閥のもう一人はエリアマネージャーのところまで行き、早井さんが泣いていること(店長が泣かせたことにすり替えて)報告。エリアマネージャーからありがたいお説教が2時間続きました。

 

面倒なエリアマネージャー

・この地域のエリアマネージャーは特殊で完全に「強い者の味方」でした。強い者それはつまり「要望の多い従業員の味方」だったのです。自分では弱い者の言い分を解決しているつもりでいるので改心しません。片方から言われると事実確認をしないで言って来た方が正義で言われる方が悪にされてしまいます。多くの店長が嫌になって辞めさせた有名なエリアマネージャーです。自分も初めて会って挨拶しただけで「お前は従業員の気持ちを解ろうとしない」「心に欠陥のある人間だ!」といきなり言われたことを覚えています。自分のことを快く思っていない同僚上司の言葉を真に受けて言ってきたことが後で解りました。自分の考えで部下を評価出来ない典型的なお子様上司でした。

 

解決方法

・早い派閥は早井さんのトップダウンでしたが一枚岩でありません。配下の従業員の話を傾聴して信用を勝ち取ることで早井さんが実は演技派で裏表がある人間であることが解りました。その後も信用の輪を広げていき、ついにエリアマネージャーと直接対決に臨みました。異動して半年、毎日ありがたいアドバイス(小言)をいただいている最中に「そんなに自分のマネジメントはおかしいですか?」と初めて強く発言。エリアマネージャーは(いじめっ子)は反論しない人には強いが反論されると途端に弱くなるのですかさず「従業員を集めて決を取りましょう」と提案。すぐ従業員を集めて「店長が本当に皆さんのコミュニケーションの輪を乱していますか?不公平な割り当てを組んでいますか?」と全体で聞くと「今回の店長はそんなことありません」「とても熱心にシフトも組んでくれて助かっています」と下馬評とは違って好印象な返答が返ってきました。ここで素晴らしいのは早井さんはそういう場では絶対に発言をしないことです。エリアマネージャーは当然早井さんを見ていましたが早井さんは全く見向きもしません。これにて不公平な店長→公平な店長にジョブチェンジが完了し、その後エリアマネージャーからの叱責はピタリと無くなりました。

 

まとめ

・将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。格言通りの手法です(昔の人は良いことを言います)困難が多い程に人の信用や優しさに助けらた時、感謝が深まります。困難の無い人生は無難ですが喜びが無い。難が有る人は「有難い(ありがたい)」と本当の人生の喜びを得られる。これも人が運んでくる幸運であると考察します。

 

追伸

・エリアマネージャーは不正が発覚して退職しました。

・早井さんは次のターゲットを見つけてその人を苦しめて憂さ晴らししています。

 

以上

 

 

 

 

 

 

まとめ