困難の乗り越え方を語ろう②

人間関係の困難は対処方法を知っていれば解決が出来ます。ですが一朝一夕では出来ません。長期戦で方向性を間違えなければ上手くいきます。

 

なぜなら人間の感情はいつでも揺れ動いているからです。

 

ある飲食店の改善物語②

職場の現状

・駅前立地で客席は少ないが回転数が異常に高いく、忙しい。

・従業員はベテランばかり。派閥は無いがお互いが個別に毒を吐く。

・問題児の女性職員が一名。思い込みが激しく、感情のアップダウンが激しい。

 

職場環境

・開店から15年以上たっているが売上が常時上位で皆さん選民主義を持っている。(選民主義:我々は選ばれた従業員だから主張が守られて当然という考え方)

・繁忙店に多い不平不満が通常店舗より多く、エリアマネージャーまで直に報告が入るので店長は改善案を出しにくい。

・コミュニケーションは酷いが売上は良いことが唯一の救い。

 

唐揚げ事件

・問題児の女性、宮沢さん(仮名:20代後半)が唐揚げ5皿を作っていたところ2個床に落としてしまいました。(1皿6個で30個作っていて5皿分)当然4皿配膳して1皿は追加で作ると思っていたらぴったりの数(5皿分)で配膳されていました。

宮沢さんに「さっき唐揚げ落としていませんでした?」と尋ねると「油でもう一度揚げたから大丈夫」とドヤ顔で言われました。血の気がが引き、大慌てで配膳をストップしてお客様にお詫びをし、油を交換して唐揚げを作り直しました。

宮沢さんには「家庭料理ならまだしも床に落ちた唐揚げをお客さんに提供するのは止めて下さい」と説明すると「お客にはわからないから大丈夫」と返答。「では宮沢さんは目の前で落とした食べ物をお客さんに出す店にお金を払って食べに行きますか?」と聞くと宮沢さんが「そんな店に食べに行きません」「すみませんでした」と事の重大さに気が付いたようでやっと謝罪をしてくれました。

 

退職願い事件

・ある時、事務所で残務処理をしていた時のことです。翌日が休日だったので遅くまで店に残っていました。そんな時、宮沢さんが酔っ払って千鳥足で事務所に私服で入ってきました。日頃の不平不満(仕事の愚痴+人間関係+店長の応対不備)を吐いたかと思うと退職願いをその場で書いて叩きつけてきました(名前と住所だけ汚い字で書いて)びっくりして翌日は休み返上で宮沢さんの引き留めに奔走しました。何とか思い留まってくれたので難を逃れましたが大変な疲弊をし、何とかしなければと思いました。

 

本退職事件

・前回の事件から一か月後、また事務所に宮沢さんが物申しに来ました。前回同様その場で退職願いを書き始めたので「解りました。正式に受理します。長い間、ありがとうございました」と伝えると宮沢さんは「えっ」と驚いて「なんで引き留めてくれないの?」と怒り出してきました。書類を書いてもらうと事務所から逃げるように出ていきました。

 

実は前回の事件以降、周りの従業員とエリアマネージャーに退職願い事件のことを話し、もう一度同じことをやったら本当に辞めてもらおうということにしてあったのです。

 

当てが外れて大慌てな宮沢さんはまず、仲間の従業員に「店長に辞めさせられた」「不当解雇だ」と同情を煽ったが皆さん事の顛末を知っていたので「自業自得だね~」と相手にしませんでした。

 

終いにはエリアマネージャーに直談判して「私、辞める気は無かったんです~」と3時間泣きついたそうです。

 

宮沢さんは店長に引き留めてもらうことで悲劇のヒロインを演じたかっただけなんだと考察します。

 

まとめ

宮沢さんの退職でシフト作成は大変でしたが職場の輪を乱す人がいなくなり店舗は平安を取り戻しました。宮沢さんは他の職場を探して働き始めましたがまた同じ行動を取っていると風のうわさに聞きました。自分をかまってくれる場所を職場に探さないで欲しい。自分の機嫌を自分で取れる人間になって欲しいと切に思います。